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「見守る」って、実はすごくむずかしい



〜手を出さない勇気、言わない強さ〜


運動を通して子どもたちと向き合っていると、保護者の方からよくこんな声を聞きます。

「つい口を出したくなっちゃって…」

「もっとやってほしいのに、やめそうになってるのを見ると、モヤモヤしてしまうんです」

分かります。

それって、期待しているからこそですよね。


「ここでもうひと踏ん張りすれば伸びるのに」

「せっかく頑張ってきたんだから、もう少し挑戦してみてほしい」

そんなふうに思ってしまうのは、お子さんの可能性を信じている証拠だと思うんです。



「もっとできるのに」と思うからこそ、言いたくなる


たとえば、チャレンジしたい気持ちはあるのに、一歩が出ない子。

周りが楽しそうにやっているのを見ながら、モジモジしている姿に、

「行っておいで!」「大丈夫、できるよ」と背中を押したくなる瞬間があります。


そういうとき、「もうちょっとやってみたら?」「さっきは惜しかったよ」そんなふうに声をかけたくなるのは当然です。

でも、あえて“言わない”“手を出さない”選択をするときがあります。

それは、子ども自身の中から「やってみようかな」という気持ちが出てくるのを、ちゃんと信じてあげたいから


強く背中を押すよりも、少し離れて静かに待つことのほうが、子どもにとっては大きな後押しになることもあるんです。



自分で決めた一歩は、強い


たとえば、ブレイキンでフロアに出るのが怖くてモジモジしていた子。声をかけずにただ見守っていたら、自分から踊り始めた子。緊張しながらのチャレンジ。

パルクールで遠くの高い場所でのバーバランスに何度もトライしていた子。怖さと悔しさで何度も立ち止まっていたけど、やめるかと思ったその瞬間に、「もう一回やってみる」と小さくつぶやいての再挑戦。

その一歩には、「自分で決めた」という強さが込められています。


他人に言われて動いたときより、内側から湧いたエネルギーの方がずっと強い

だからこそ、その子の表情や目の色が、ぐっと変わって見えるんです。



見守るって、結構しんどい


正直なところ、「見守る」って言葉はやさしく聞こえますが、やってみると本当にしんどいです。

「あと少しなのに」「今がチャンスなのに」そう思っているのに、あえて何も言わずに待つって、保護者の方にとっても、すごく勇気のいることだと思います。

でも、何もしていないわけではありません。ぐっとこらえて「信じて待つ」ということ自体が、大人にとってのチャレンジなんです。

だからボクは、声をかけずにそっと見ていた保護者の姿も、すごくかっこいいと思っています。

子どもがチャレンジしているとき、実はその横で、大人もチャレンジしている。

そのことに、もっと自信を持ってもらえたらうれしいです。



最後に


言わないことは、何もしないことではありません。

黙って見ている中には、「がんばってほしい」「乗り越えてほしい」そんな思いがたくさん詰まっています。

子どもはその“空気”を、ちゃんと感じ取っています。


だからこそ、EXCEEDは、子どもたちが自分のタイミングで「やってみよう」と思える場所でありたいと思っています。

保護者の皆さんと一緒に、「見守る力」も身に付けていけたらうれしいです。

子どものチャレンジだけでなく、親のチャレンジも、ちゃんと伝わっている。

そう信じて、これからも一緒に子どもたちの成長を応援していきましょう。

 
 
 

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