反応できる子は、生きていける
- Hiroki Nagaya
- 5月23日
- 読了時間: 3分

〜瞬間に動ける判断力と感覚は、“生きる力”の土台になる〜
運動って、「体を動かす力」だけを育てるものだと思われがちです。
でもボクは、もう一つ大きな力が育つと感じています。
それは、“反応する力”です。
誰かの動きに合わせる。
思ってなかった場面で自分の身体をパッと動かす。
とっさの判断をして行動を変える。
こうした「瞬間の反応」は、まさに“生きる力”の土台になります。
指示を待たない、「感じて動く」力
子どもたちの中には、「言われたことはちゃんとできるけど、想定外のことに弱い」そんなタイプの子も多くいます。
でも、運動の中は自分で考えて、すぐに動かないといけない場面がたくさんあります。
パルクール中に失敗したときの安全確保
ぶつかりそうになったら、すぐにコースをずらす
ブレイキンのバトルで、音楽が変わった瞬間に踊り方を切り替える
こういった場面で求められるのが、「コーディネーション能力」と呼ばれる力です。
これは、“見て・感じて・判断して・身体を動かす”という一連の流れを、スムーズにこなす力のこと。
反射神経やリズム感だけでなく、「脳と身体を連動させる力」と言いかえてもいいかもしれません。
目で見た情報を瞬時に判断して、すぐに正しい動きに変えていく。
考えてから動く、ではなく、“感じて動ける”状態をつくる力です。
うちの教室では、特に「ちびっこアクロ」クラスでこの力を育てることを意識しています。
高さ・方向・タイミング・スピードなどを変えた遊びや動きを通して、子どもたちは「どう動こう?」を頭で考える前に、自然と身体で反応できる感覚を身につけていきます。
EXCEEDでは、そういう反応の連続
EXCEEDの教室では、子どもたちが「自分で感じて、自分で動く」場面がたくさんあります。
たとえば、パルクールの練習中。
ジャンプの着地が少しズレてしまって、バランスを崩しそうになった子がいました。
でも、その子はとっさにロール(受け身)で身体を流しながら着地し、大きな転倒を避けました。あの瞬間は、頭で考えるより先に、身体が反応していたと思います。
また、ブレイキンのサイファー練習では、音楽の雰囲気やリズムが途中でガラッと変わることがあります。そんなとき、踊っていた子がすぐにスタイルを変えて、その場の空気や音をしっかり“感じて”動きを選び直せるようになっている姿を見て、「この子、すごく成長してるな」と感じました。
こういう瞬間的な判断や切り替えの積み重ねが、反応力と主体性を育てていきます。
社会に出たら、マニュアル通りじゃ動けない
大人になって社会に出ると、「想定外」の連続です。
思ったようにいかない
理不尽なことを言われる
急に予定が変わる
自分で選ばなきゃいけない場面がある
でも、そんなときに「どうしよう」だけじゃなく、「じゃあ、こうしてみよう」と“自分で反応できる人”は、しなやかに生きていけると思います。
そしてその力は、運動の中で自然と育っていく。
ボクは、運動を「体力づくり」や「技術」だけで終わらせるつもりはありません。
もっと根っこにある、“生き抜く力”の練習として大事にしていきたいと思っています。
最後に
「反応できる子は、生きていける」
これは大げさじゃなく、ボクが教室で子どもたちを見ていて本当に感じることです。
自分の目で見て、自分の感覚で動いて、自分で修正できる。その力は、きっとこれからの時代を生きる子どもたちにとって、一番の武器になる。
それこそまさに「生きる力」。
EXCEEDは、そういう“感じて動ける子”を育てていける場所でありたいと思っています。
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