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学校の友達なんていなくていい

〜「人間関係に悩む子どもたち」へ、大人として伝えたいこと〜


学校が嫌いになる理由


学校に行くのが嫌で、不登校になる子どもたちがいます。

あるいは毎日、嫌々ながら登校している子も。

では、いったい何がそんなに「嫌」なのでしょうか。

子どもたちが学校を嫌いになる原因は、主に次の3つに集約されると言われています。


  • 人間関係

  • 勉強

  • 給食


今回はその中でも「人間関係」に焦点を当ててみたいと思います。

ちなみに、文部科学省が出している不登校の要因でも、人間関係は常にトップです。



「友達」との関係がつらい子へ


皆さんは、大人になってから付き合いのある友人って何人くらいいますか?

たとえば僕の場合——

いくつか趣味がありますので、趣味ごとに数人から数十人の知人がいて、

仕事仲間やビジネスパートナーが数人いて、

飲み友達が数人いて、

よく会うのは数十人じゃないかなと思います。

裾野を広げても、おそらく50〜100人程度でしょう。

「頻繁に会う仲」まで絞ると、ほんの数人です。


友達って大人でも数少ないんです。

友達100人!?そんなんいないです(笑)



「ダンバー数」って知ってる?


実は人間の脳には、「安定した人間関係を保てる人数」に上限があるという説があります。これをダンバー数と言い、概ね150人程度がその上限とされているんです。

参考までに、人間関係の“親密度の階層”は次のように言われています。


  • 第0層:親友(3〜5人)… 人生の危機に手を差し伸べてくれる人

  • 第1層:仲の良い友人(12〜15人)… 月に1回程度は連絡をとる関係

  • 第2層:知人レベル(40〜50人)

  • 第3層:関係を維持できる限界(150人)


つまり、人生を通して深く付き合える人の数なんて、実はほんのわずかなんです。



クラス全員と仲良くなんて、無理ゲー


冷静に考えてみてください。

・たまたま同い年に生まれて

・たまたま近くに住んでいて

・たまたま同じ学校、同じクラスに割り振られた人たち


そんな人たちと「みんな仲良くしましょう!」って…それ、無理あるよね?

大人でも「同じ職場だから全員と友達になってね!」なんて言われたらしんどいはず。

子どもだって同じです。



学校は“友達をつくる場所”ではない


学校って、本来は「仲良くなるための場所」ではないと思っています。

むしろ、「友達ではないけど、同じ空間にいる人たちと平和に過ごす訓練をする場所」

これが正確じゃないでしょうか。


ちなみに、USJをV字回復させたことで有名なマーケター・森岡毅さんも、著書やインタビューでこんなふうに語っています。

「友達はいてもいいけど、いなくてもいい。必要なのは“仲間”だ。」

彼は、「目的を共有し、いざという時に支え合える関係こそが大事」であり、「ただ一緒にいるだけの友達」にこだわらなくてもいいとしています。

この考え方は、まさに現代の子どもたちが直面している学校での人間関係にも通じるのではないでしょうか。本当に必要なのは、“自分らしくいられる仲間”かもしれません。


運が良ければ、学校でも気が合う子と友達になれるかもしれません。

でも、それが当たり前じゃない。

友達ができない=失敗ではないし、落ちこむ必要なんて全くないんです。



学校の外にこそ、本当の仲間がいるかも


僕はむしろ、「友達は学校の外でつくったほうがいい」とさえ思っています。


  • 習いごと

  • 趣味の場

  • オンラインのコミュニティ


今は出会いの場がたくさんあります。価値観や興味が近い人たちと出会える可能性は、むしろ学校外の方が高いかもしれません。

そして、そうやって出会った仲間の方が、大人になっても長く続く関係になることが多い気がします。



学校の在り方、ちょっと変えてみない?


こうした背景をふまえて、僕は理想の学校の形をこう考えています。


午前中は授業でしっかり勉強。午後は帰宅して、自分のやりたいことに集中する時間。

午後からは習い事をしたり、好きなことに没頭したりする。その方がよっぽど健全だし、人間関係のストレスも減ると思います。

もちろん、それを制度として実現するには難しい課題も山積みですが…。

それはまた別の機会に。



最後にひとこと


「学校に友達がいないこと」は、全然問題じゃありません。

学校で合う友達がいなければ、外で探せばいい。むしろその方が、自分らしくいられる相手に出会えるかもしれない。

子どもたちにとって、「友達ができないからつらい」なんて思わずにすむ環境が、もっと当たり前になればいいなと思っています。

 
 
 

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