習いごとを“がんばらせすぎない”ために
- Hiroki Nagaya
- 5月5日
- 読了時間: 3分

~がんばるは大事。でも、押しつけになっていないかな?~
「もっとがんばってほしい」「せっかく習ってるんだから、上達してほしい」
そんなふうに思ったこと、保護者の方ならきっと一度はあると思います。でも、子どもにとって“がんばる”が「やらされてる」「怒られたくないからやる」になってしまったら、それはもう運動を楽しむこととは少し離れてしまいます。
ボクが教室で大事にしているのは、
がんばらせるのではなく、“がんばりたくなる環境”をつくること。
自分からやりたくなる“がんばり”が本物
教室ではときどき、こんな場面があります。
「今日はやりたくない」と言っていた子が、周りの楽しそうな雰囲気や、ちょっとした声かけに背中を押されて、気づけば笑顔で身体を動かしていたり、技に挑戦していたり。
そういう時の“がんばり”って、強いんです。
誰かに言われたからではなく、「自分の意思」で動き出した瞬間です。
その一歩はたとえ小さくても、子どもにとっては大きな自信になります。
「できたこと」より「やろうとしたこと」を見てあげてほしい
保護者の方には、「できたかどうか」だけでなく、「やろうとしたこと」や「工夫していたこと」にも目を向けてほしいなと思っています。
たとえば、ちょっと高い台からジャンプするのが怖かった子が、思いきって足を踏み出した瞬間。
たとえ着地がうまくいかなかったとしても、
「こわかったのにチャレンジしてえらかったね」「昨日はできなかったのに、今日は足が前に出てたよ」そんな声かけをしてもらえると、子どもは“がんばってよかった”と思えます。
運動を通して「失敗してもいい」「挑戦していい」という気持ちが育てば、それはきっと、学校でも、将来の社会でも活きてきます。
習いごとに“成果”を求めすぎない
今は、いろんな習いごとで“成果”や“結果”を求められることが多くなっています。
でも、運動は「競争」じゃなくて「習慣」になってこそ意味があるとボクは思っています。
たとえば、ボクのまわりにも「高校時代は部活でめちゃくちゃがんばってた」という人がたくさんいます。でも、大人になった今は全く運動をしていない、という人も多いです。
それって、「運動=しんどいもの」「誰かにやらされるもの」という印象のまま卒業してしまったからかもしれません。
どんなに上手でも、「イヤだからやめたい」と思ってしまったら、それで終わりです。
でも、「なんか楽しい」「またやってみたい」と思えたら、それは一生の財産になります。
だからこそ、子ども時代に「できた!」「たのしい!」という経験を積み重ねておくことが、将来、運動が“特別なこと”ではなく“当たり前の選択肢”となり、自分の心と身体をうまく整えていけるような土台になると思っています。
がんばらせすぎず、長く続けられる運動を
ボクは、ブレイキンもトレーニングも20年以上続けています。でも、すごい記録や成績を残してきたわけじゃありません。むしろ失敗の連続です。それでも続けてこれたのは、「楽しい」と思えていたから。 今でもどんどん新しいことができるようになっています。
だからこそ、子どもたちにも運動を“やらされるもの”ではなく、「やってみたい」「続けたい」と思えるものとして届けたいと思っています。
EXCEEDは、子どもたちが「できる」を増やしていける場所でありたいと思っていますが、その前に「やってみたい」気持ちを育てる場所でありたいと思っています。
そして保護者のみなさんとも、その歩みをいっしょに見守っていけたらうれしいです。
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