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不登校とは学校に行かないという選択


不登校の原因


年々、不登校の児童生徒が増えているのをご存知ですか?

文部科学省の最新データ(2023年度)では、

小・中学校の不登校児童生徒数が約34万6千人(346,482人)にのぼり、過去最多を記録しています。

小学生は約13万人(2.1%)、

中学生は約21.6万人(6.7%)が年間30日以上欠席しています。


不登校の原因としてよく挙げられるのが、やはり「人間関係」。

さらに、中学生になると「学業不振」や「将来への不安」が増えてくる年齢でもあります。

また、見落とされがちですが「家庭での関わり方(親子関係)」も一定数の要因となっています。

2023年度の報告では、以下のような理由も注目されています。

  • 学校生活への無気力:32.2%

  • 不安や抑うつ状態:23.1%

  • 生活リズムの乱れ:23.0%

  • 家庭の状況・親子関係:13.5%


つまり、単純に「学校が嫌い」「勉強が嫌」という理由だけでなく、精神的な負担や環境的な課題が絡み合っていることが多いのです。

これはもはや「サボり」とは言えません。



学校に行かないのは悪いこと?


こうした背景から不登校になる子がいます。

でも、「学校に行かないって、本当に悪いこと?」という疑問は、もっと大切にしていいと思います。

学校側は不登校に対し、何とか登校させようとさまざまな対策を打ちます。

「来やすい環境を作ろう」

「オンライン学習を導入しよう」など。


でも本当に、“行きたくない場所に無理やり行かせる”って正しいのでしょうか?

残念ながら、そこには“学校の名誉”を守りたいという意識があるように思えます。

「不登校が出ているのに何もしない学校」と思われるのが怖い。

だから、「対策してますよ」と見せかける必要があるんです。


そして、保護者の方も

  • 「義務教育なんだから、無理にでも行かせるのが親の役割」

  • 「不登校は甘え。怠け」

  • 「不登校は親の責任。子育ての失敗」

こんなふうに思い込んでしまっているケースも少なくありません。

でも、そもそも、「学校に行かないという選択」の何がそんなに悪いんでしょうか。



学校に行かないという“選択”


答えはシンプルです。

お子さんはただ、「学校に行かない」という選択をしただけ。

それは、人生にあるひとつの選択肢に過ぎません。学校に行かないからといって、その子の人生が終わることも、価値が下がることもありません。


前回のブログにも書きましたが、ボクは「学校の友達なんて必要ない」と思っています。

勉強もネットや大人になってからいくらでも取り戻せる時代です。

事実、中学3年で不登校経験のある子のうち、約85%が進学しています。残りの15%の中にも、高卒認定を取得し学び続ける子たちがたくさんいます。

だから、「学校に行かない=落ちこぼれ」なんて、もう古い。



不登校は“経歴”になる


むしろ今は、多様性を評価する時代。不登校だった経験を、強みとして語れる人もいます。

たとえば「そのときどんなことをしていたか」いつか誰かに話したくなる、自分だけの物語になるかもしれません。

気負いすぎず、「学校に行けなかった時間を楽しめばいい」。

学校では得られない経験を、そのときにしかできない形で得ればいいんです。



大切なのは、「認めること」


最も大切なのは、親として以下を受け止めること。

  • 「学校に行かない」という選択を尊重する

  • 本人の決断を肯定し、背中を押す

  • 存在そのものを認める


不登校の子は、自分の存在を「迷惑」と感じることが少なくありません。

「学校にも、家にも居場所がない」と感じる子もいます。

だからこそ、親が「いていいんだよ」「大切な存在だよ」と伝えるだけで、心が救われます。



学校以外の居場所・学びの場


最近では、不登校を選んでも安心できる学びの場が広がっています。

  • フリースクール:心のケアや学びを支援しつつ、出席扱いになることもあります

  • オルタナティブスクール:モンテッソーリなど哲学的指導で、自主性を育む学び場

  • 「学びの多様化学校」(旧:不登校特例校):全国に約35校あり、デジタル学習と少人数制でサポート

  • 通信制高校/ゼロ高:「行動×学び」を重視し、柔軟な学びを実現

  • オンラインスクール:全国どこからでも参加できる、費用を抑えた学びの場も増えています



もっと多様な選択肢が当たり前に


「学校に行かない」からといって、人生は終わりません。むしろ、そこがスタートになるケースもあります。

大切なのは、「自分に合う場所を自分で選べること」そして、「その選択を大人が認めてくれる社会」であること。

ボクは、自分の仕事を通じて、そんな優しい多様性あふれる社会づくりを、これからも応援していきたいと思っています。

 
 
 

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