多様性と運動の話〜障害のある子どもたちの豊かな学びと居場所〜
- Hiroki Nagaya
- 8月20日
- 読了時間: 4分

多様性
「多様性」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「これからは多様性の時代」
「ダイバーシティを大切に」
そんな言葉が当たり前に飛び交うようになってきました。
これはとても良い流れだと感じています。
これまでも、さまざまな背景や特性を持つ人たちは存在していましたが、その多くは十分に理解されず、苦しさや生きづらさを感じていたのが現実です。
ようやく社会全体が、そういった“多様な存在”に目を向け、理解しようとし始めているのです。
でも、学校教育の現場では、まだまだ「みんな一緒」「同じであることが正しい」という価値観が根強く残っています。
「出る杭は打たれる」
「空気を読むのが正解」
そんな文化の中で、“違い”を受け入れる土壌が育ちにくいのは事実です。
今日は、そんな「まだ受け入れられていない多様性」の中でも、障害のある子どもたちに焦点を当ててお話しします。
デイサービスで出会った子どもたちとの時間
以前、ボクがトレーナーとして関わっていた仕事のひとつに、放課後等デイサービスでのキッズ向け運動クラスがありました。
そこに通う子どもたちは、それぞれに障害や特性を持っていました。
知的障害のある子
情緒的な障害のある子
身体に不自由を抱える子
協調運動障害の子 など…
こうした子たちは、学校の中では支援級に在籍していたり、通常級に在籍しながら“グレーゾーン”として扱われたりしていて、満足に体育の授業に参加できないことが少なくありません。
教員時代、それをたくさん目にしてきました。
一緒に運動したくても、環境やサポート体制が整わず、どうしても「できない」という判断になってしまいます。
チームで行う種目の際にも、メンバーからは足手まとい扱いをされてしまうこともしばしば。
でも、一歩学校の外に出てみると、そんな制限はありません。
デイサービスでのクラスでは、どの子も本当に元気いっぱい動いてくれました。
やり方次第で、どんな子どもでも運動を“楽しむ”ことができるのです。
運動は、誰にとっても「豊かな人生」への入口
人には、誰もが豊かに生きる権利があります。
そして、そのために「健康」は欠かせない要素です。
つまり、運動は特別な人だけのものではなく、すべての人に必要であり、すべての人が楽しむ権利があるものです。
運動やスポーツを通じて「自分にもできた!」「体を動かすのって楽しい!」そう感じられる時間は、きっとその子の人生を支える“光”になります。
たとえ、日常や学校生活の中で運動に触れる機会が少なくても、
「ここでなら動ける」
「ここなら自分らしくいられる」
そんな場所があるだけで、その子の世界は変わるのです。
健康は“誰もが持っていていい”あたりまえの権利
「運動は、どんな状態の人にも必要」
「誰もが、健康な体で人生を楽しんでいい」
その考え方は、ボクがこの仕事をするうえでずっと大切にしている軸です。
実際、世界を見ても、運動やスポーツは多様性を受け入れる土壌になり得ると感じています。
国籍も人種も違う人たちが集うプロスポーツチーム
世界中の人が交流するオリンピック
障害をもったアスリートが活躍するパラリンピック
スポーツの場では、「違い」はハンデではなく、「違い」こそが“個性”になります。
残念ながら、学校教育の場ではそうはいかないことが多く、同調圧力の中で
「みんなと違う」ことが排除されがちです。
だからこそ、ボクは“学校の外から”子どもと関わることで、新たな価値観を育てることができると信じています。
運動を通じて、社会に多様性という光を
ボクはこれからも、運動やスポーツを通じて「誰もが、楽しく体を動かせる環境」を作っていきたいと考えています。
その子の個性に合った形で。
その子が自分らしくいられるペースで。
たとえ今の社会がまだすべてを受け入れてくれなかったとしても、「あなたはあなたのままで、ここにいていいんだよ」と伝えられるような場を広げていきたいです。
そして現在運営しているAthletic Gym EXCEEDでは、障害のあるなしにかかわらず、すべての子どもたちが安心して運動できる環境づくりを大切にしています。
「うちの子に合うかな?」と不安に思っている保護者の方も、ぜひ一度ご相談ください。その子に合った方法を一緒に考えていけたら嬉しいです。




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