考えながら動けるって、最強
- Hiroki Nagaya
- 5月28日
- 読了時間: 3分

〜“自分で構成し、修正する力”が、動きの中で育っていく〜
前回、「自分で選ぶ力」について書きました。
運動の中で、「どの技をやるか」「どこを通るか」を自分で決めるということ。
でも、子どもたちは“選べる”ようになると、次に「どう組み立てるか」を考え始めます。
今の自分にできる動きをどうつなげよう?
あの技を入れるには、どうしたらいい?
うまくいかなかったのは、何が原因だったんだろう?
こうして、運動の中で自然と考える力が深まっていくプロセスを、ボクは日々感じています。
組み立てる力は、「自分を知ること」から始まる
たとえばパルクール。
子どもたちは、自分が今できる技、少し頑張れば届きそうな技を組み合わせて、「どんなルートで、どんな流れを作るか」を考えます。
そういった動きをフローと言いますが、
無理しすぎず、でもチャレンジも少し入れて、“今の自分”にぴったりのフローを構成しようとします。
ブレイキンでも同じです。
ムーヴを考えるとき、「この技の後どう動く?」「この音にどう合わせよう?」頭の中で動きを組み立てて、実際に身体を使って試しながら調整します。
これは、ただ動いているだけじゃありません。身体を通して、思考している時間なんです。
経験があるから、思考が育つ
もちろん、最初からうまくいくことはありません。タイミングがズレたり、着地に失敗したり、技が途中で止まってしまうこともあります。
でも、そういう失敗を何度も重ねる中で、「何が悪かったのか?」「次はどう変えてみよう?」と、自分で考えるようになっていきます。
このとき大事なのが、量をやってきた経験です。
たくさん動いて、たくさん失敗して、たくさん試してきた子ほど、「これは前もあったな」「こうすればいいかも」と仮説が立てられるようになります。
つまり、思考力は“量の積み重ね”が土台になって育つということです。動いてきたからこそ、考えることができる。そして、考えたからこそ、また動いてみたくなるんです。
脳と身体は、セットで動いている
思考力って、頭の中だけのものではありません。身体が動いているからこそ、感覚が生まれ、気づきが生まれ、考えが深まっていく。いわば、脳と身体のキャッチボールです。
EXCEEDのレッスンでも、子どもたちはこのやり取りを自然に繰り返しています。
パワームーヴの練習で回転が止まったときに「足が振れていない」と自分で気づき、タイミングを変えて試してみる
パルクールでは、プレシジョンジャンプを飛んでみて、「もう少し腕を振れば届きそう」と感覚を調整していく
バク転の練習で「今の跳び方、気持ちよかった!」と感覚と言葉が一致する瞬間が訪れる
この連動が、机の上では絶対に育たない“生きた思考力”をつくっていきます。
最後に
運動は、「動き方」を学ぶ場であると同時に、「考え方」を学ぶ場でもあると思っています。
考える力って、突然育つものじゃありません。動いて、失敗して、気づいて、また挑戦して──その繰り返しの中でしか、ほんとうの意味では身につきません。
そして、「考えながら動ける」子は、どんなときでも立て直すことができます。自分の頭と身体を信じて、次の一歩を踏み出せます。
それこそが”生きる力”だと思っています。
考えながら動けるって、やっぱり最強です。
EXCEEDは、これからも“自分の頭で考えて、自分の身体で答えを見つける”子を育てていける場所でありたいと思っています。
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